世界的なメガネの産地でもある福井県鯖江市に行ってきました。
鯖江には過去にも一度工場見学させてもらったことはありましたが、今回のようにじっくり、職人さんやデザイナーさんから直にお話を聞いたことはありませんでしたのでいい経験になりました。
今回は、プロデザインの営業さん(俵さん)の紹介で、なんと、イエローズプラス山岸さんの工場を見学させて頂けました。まずは、山岸さんのオフィスにて鯖江の歴史や現状を詳しく教えてもらい、工場へ移動しました。 工場がある場所は、日本の里山の見本になるような美しい環境で、周辺にはそうそうたるブランドの工場が隣接していました。
見学させて頂いたのは、プラスチックフレームの工場です。 ほぼすべてが手作業で行われ、オートメーションをイメージしていた私には以外な光景でした。 1つのフレームは一度には作らず、各工程ごとに専門の職人さんが作業をします。 生地を選択し、カット・厚みやデザインの計算・ヒンジの取り付け、フロントとテンプルの合わせ、フレームの磨き、幅や角度調整などなど、何百という工程ができるまでに必要です。
イエローズプラス山岸さんのオフィス。
フロントの角度とテンプルの角度を合わせきれいにカット。
切ったテンプル角度が左右対称かつ正しい幅かどうかのチェック。
つなぎ目に段差がある状態
泥で磨きをかけます。
段差が無くなり滑らかになりました。
この竹やプラスチック材の細かいので10時間ほどドラムのような中でグルグル回し、つやを出します。
これはほんの一部ですが、プラスチックフレーム1つ作るにも人の手によって多くの工程が必要です。 現在では品質より量を求められるようになり、昔はどの工程も正しく行っていた工場が、納期や生産スピードを上げることを重要視したことから本来当たり前に行うことをしなかったりと言うこともあると言うことです。 山岸さんがおっしゃるには、山岸さんの工場では、特別なことをしているのではなく、作品を作るのに必要なことは一切手抜きをせず正しく行っていると言うことです。
当たり前のことを手抜きせず、きちんと行っていたら世間がその品質の良さを称賛し、求めるようになったのだと思います。
今回の鯖江の工場見学によって、眼鏡店でありながら知らないことがたくさんあることに反省しましたし、また実際に見たことにより、エンドユーザーの方にブランドの大きさや価格以外の大切なことをお伝えできるようになったことが嬉しいです。
山岸さんには、お忙しい中、終始親切丁寧な説明をして頂きまして本当にありがとうございました。